
バイオトイレを設置して1年経ったね。
使い心地はどおですか?



助かるよ!どうしてもトイレに行きたい時用としては十分。



臭いは大丈夫かな?て心配だったけど
臭いと思ったことは一度もないし。



何も囲ってない外でするより
安心感もある。



そうだね。あとそろそろいっぱいになってきたから
移動させないといけないね。



これを機に作り方と1年経ったレビューでもしましょうか。
土中の微生物の働きを利用したバイオトイレの作り方を紹介します。
誰でも簡単に作れるので、トイレが遠い山作業や農作業でお役に立てるかも。
記事を読む前に、以下の動画で一連の流れを説明しているのでぜひ。


そもそもバイオトイレを作った理由


私たちの古民家にはトイレがない。
厳密に言うと汲み取り式はあるのですが状態が悪い上、改修工事で撤去する予定なので使っていません。これまで近くの公園のトイレやコンビニで済ませていたのですがかなり不便でした。



「山でちょっとしてくれば…」ということになるのですが
そこまでの勇気がない。
そこで調べたところバイオトイレというワードを発見!
排泄物を土に埋めるだけではなく土にいる微生物の活動をより高めた環境作りをし、同時に安心して使えるプライバシー空間を確保しようというトイレ。
分解が進むと臭いもしないハエもわかないそうで、実験がてらチャレンジしてみました。
バイオトイレの仕組み
バイオトイレの仕組み(微生物の活動を高める仕組み)は以下の通り。


適度な空気・水の動き、そして適切な温度が重要。
空気・水の行き来が均一で深く、滞ることのない土中環境を作ります。排泄物を出し際はその土地の土と炭を混ぜたもの、落ち葉を上にかぶせ分解を促すというわけです。
さらに植物の根っこの近く、高低差のある場所に設置すると微生物の活動がより活発になるんだとか。
必要なもの・より良い設置場所
必要なものは以下の通り。
- 水平器(+長い角材)
- くわ(整地する・穴を掘る用)
- 節を抜いた竹
- 炭
- 枯れ枝・枯れ葉


設置場所はどこでも良いですが、上記写真のようなところは尚良し。
後ほど理由をご説明します。
バイオトイレの作り方
①整地する:高低差のある台地を作ろう


水と空気がより行き来しやすい環境にします。
水は高いところから低いところに流れ、空気はその逆です。高低差を作り出しより行き来がしやすい環境にします。
トイレの広さを畳1枚分(180cmx90cm)ぐらいにするので、台地はふた周り広い面積を確保しました。


水平器+長い平行板を使って地面の平らにします。
地面に水平面を作る方法がこれ。
長い水平器も売っていますが、板を組み合わせて使うと短い水平器でも水平面を出すことができます。土木・造園の現場でもよく見る光景です。


水平を出す手順は上記の図の通り。
- まず基準となる隅を決めて:(A点)
- 残る3つの隅の高さを基準に合わせる:(B点・C点・D点)
- 次に各隅からもチェックをする
土木の現場ではより緻密に水平面を出すと思いますが、今回はざっくりで大丈夫。
②穴を掘る


深さは約30cm。



このぐらいあればトイレできるな
…という広さでOK。



すごいざっくり。
③さらにこぶし分の穴を掘り、竹筒を差し込む


より深い層まで水と空気を動かせるようにします。
穴を掘ったらさらに深めに穴を掘って節を抜いた竹筒を入れます。
穴はこぶし分ぐらい。竹筒の長さは40cmぐらいです。
④炭・枯れ葉・枯れ枝を入れる


炭は微生物にとって良いアイテム
炭を入れる理由は、
- 水や空気を長く持たせる
- 微生物の棲み家になる
- 酸性で粘土質の土をアルカリ性に変える
…と土中環境を改善するのにメリットがたくさん。
植物が育ちやすい土に変わるので植栽の時にも炭を混ぜ込みます。他にも様々な効果をもたらすので万能資材です。




さらに枝も詰め込んで。


これで土壌環境を促す作業は完成です。
トイレに設置するもの


土・落ち葉
排泄物の上にかけるものは土と落ち葉です。土はその土地の土と炭を少し混ぜたもの。分解を促します。
落ち葉もなるべくその土地の近くにあるものがいいでしょう。


紙は持ち帰ろう
紙は分解が遅いので持ち帰ることにしました。
犬のお散歩時に入れるフン入れ袋がホームセンターで売っていたので、それを使って燃えるゴミに捨てるという方式です。
まとめ
いかがでしたか?
次回はトイレの建屋の作り方を紹介します。古材を利用した完全なオリジナルですが、基本的な建物の作り方に通ずるものがあるのでお楽しみに。
それではでは。