こんにちは。妻です。
「里山のシイナ」で出会う生き物たちを紹介しています。
今月は、フクジュソウ・オオイヌノフグリ・ホトケノザです。
フクジュソウ

フクジュソウ(福寿草)
フクジュソウはギンポウゲ科フクジュソウ属の多年草※注1。
旧正月である2月頃から咲くので「福を告げる草」、これが転じて福寿草となったそうです。個人的には「春が来てる!」とテンションが上がる花で、見た目も可愛らしいので見つけた時ウキウキします。落葉樹林内の日当たりの良い場所で咲きますが、夏は日陰になるところを好みます。ちょうどこの場所は、柿の木の下に当たるので、フクジュソウにとっては絶好の場所なのでしょう。
花粉を運んでもらう為、早春に活動する昆虫を誘っているのですが、蜜は持っていないのだそう。代わりに花弁で囲んだ暖かい空間を提供しているらしく、やっぱり虫も暖かいのが好きなんだなと感じました。
注1:多年草とは
複数年にわたって生存する植物のことです。
補足:早春に活動する昆虫について:「ヒラタアブ」

先日、その早春に活動するヒラタアブを発見!ハチではないので人を刺すことはありません。
花につくアブラムシを食べてくれるので益虫とされているよう。よく見ないと見つからないぐらい小さいです。活動期間は結構長くて早春〜晩秋にかけているとのこと。
オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ
オオバコ科クワガタソウ属の越年草※注2。
2〜4月頃に、小さく青い花を地面いっぱいに咲かせます。背丈が低いので、他の植物がまだ目覚めない早い時期に開花して、光合成を行い虫に花粉を運んでもらう戦略をとっているのだそう(賢い)。そして狙い通り、アブラムシを食べてくれるヒラタアブ(成虫)が蜜に誘われやって来ます。
気になる名前の由来は、在来種の丸い蒴果(さくか)※注3の形が犬の陰嚢(いんのう)に似ていることからだそうで、「すごい名前の付け方だな。」と、どういう状況でこの花に名前をつけたのだろうかと、いつも疑問に思います(・ω・)。日本全土多くの場所で見られますが、このオオイヌノフグリは外来種で日本に帰化した種。在来であるイヌノフグリは、今日では滅多に見られない絶滅危惧種です。
※注2:越年草とは
秋に発芽して越冬し翌年に枯れる植物を越年草、または冬型一年草と言います。
※注3:蒴果とは
複数の子房が発達した果実が熟すと、タネを覆う果皮が裂けてタネが飛び散ること。
ホトケノザ

ホトケノザ
シソ科オドリコソウ属の越年草。
半円形の葉が向き合ってつく様子が、仏像の蓮華座を思わせると言うのが名前の由来。確かにそう見ようと思えば見えなくもない…(・ω・?)。ホトケノザの花の形を唇形花(しんけいか)といい、シソ科特有の形です。早春から梅雨前までと結構長めに花を咲かせています。受粉方法は二通り。一つは虫による受粉で、もう一つは自家受粉。花を見ると開いてるものと閉じているものがあって、閉じているものが自家受粉している花で、開かないままで終わるようです。
またホトケノザの種子には、蟻が大好物の白いゼリー状の物質(エライオソームと言います)がついていて、蟻に種子を運ばせてます。そういった植物は結構たくさんいて、スミレ、ヒメオドリコソウ、ムラサキケマンなど。花を知ると虫との関係が垣間見え、驚きの連続(・▽・)。
オススメ書籍
わからない植物があった時、よく本から探しています。
里山さんぽ植物図鑑 監修:宮内泰之
は、まだ植物に詳しくなかった頃、最初に買った本で一番使っています。里や山、水辺で見られる樹木・草花・雑草も含めよくみる植物が満遍なく掲載されているので、入門書としてオススメの1冊です。
育てる調べる山野草2525種
上の書籍に載っていない下草や山野草のことも知りたくなり、購入したのがこの書籍。図鑑といっていいほど掲載植物の種類が豊富で、下草・山野草はこの1冊で十分かなと思います。全てカラー写真でわかりやすいので、時間を忘れて眺め続けられます(笑)。
雑草と楽しむ庭づくり 著者:ひきちガーデンサービス(曳地トシ+曳地義治)
自然環境に配慮した庭づくり・メンテナンスを行なっている植木屋さんが出している本。「自然の中では、本来そこにあるもので全部循環できる」と言う考えをベースに、多様な生き物たちが生き生きとした繋がりを持つ庭づくりを書籍で書かれています。この本は、「雑草」を中心に、雑草との付き合い方や周りの虫や生き物たちなどの関係性と、読んでいると楽しくなる内容がたくさん書かれています。
うちも山間部にある家で、雑草と仲良くしていく方向で庭づくりができたらな。
虫といっしょに庭づくり 著者:ひきちガーデンサービス(曳地トシ+曳地義治)
こちらも先ほどと同様の著者が書いた書籍。今度は「虫」を中心に庭づくりの方法を伝授してくださってます。
みなさんは「虫」得意ですか?庭仕事でだいぶ慣れたとはいえ、私もまだ好きにはなれません(笑)。この本は、そんな嫌われがちな虫の世界をちょこっと垣間見せてもらえる内容になっていて、一定の距離を保ちながらなら(笑)虫の事情を知ることができる本です。田舎暮らしに切っても離せない「虫」。自然環境で大事な役割を担っていることがわかれば少しは好きになるかも。
それでは。でわ。